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Spirit of JMC
Spirit Lyrics

Spirit--"JOYSPEL" とは?
 ゴスペルは魂を解放する音楽である。19世紀初頭、アメリカ大陸に強制的に運ばれたアフリカの黒人達は南部のデルタ地帯を中心に奴隷として働かさせられた。唯一許された場所である教会へ、彼らは安息日である毎週日曜の礼拝に集まり、抑圧された精神を仲間と解放した。21世紀を迎える今日でも、それは形を変えて受け継がれている。
 われわれ日本人がゴスペルの生の姿を見る機会はあまりないが、現在のブラックミュージック そしてその流れを汲むあらゆる音楽のバックボーンに、実はゴスペルの存在が感じとれる。それは感動的な歌い回しであったり、印象に残るメロディであったり、躍動するリズムや重厚 なハーモニーだったりする。そして何よりも魂を解き放つスピリチュアルな感覚。この魅惑ゆえ人気歌手、例えばアル・グリーンのようにスターの座を捨ててゴスペル・シンガーとなった者も多い。
 音楽が本来持つ「癒し」のパワーと人々を励まし勇気づけるエネルギー、そして歌い手同士さらには聴き手をもひとつにする魅力にあふれた音楽。永遠に旧くて新しいゴスペルこそ、時代や場所、人種や言葉を超えて受け継がれる人類の音楽遺産のひとつといえるだろう。
人と人との関係がもろく、喜びや感謝などの人間らしさが薄れかけているいまこそ、ゴスペルがわれわれにも必要なのだ。
いまこそゴスペルを!



JAYE公山インタビュー(2000年10月7日 於:神戸)
<以下はBMGアリスタジャパンのJAYEに対するインタビューを掲載したものです>
Q ブラック・ミュージックとの出会いは?
A オーティス・レディングやウィルソン・ピケットのレコード聴いて、渋いなカッコイイなって自分でも歌い始めたんです。
ずっとソロでやってたんですが、スタイリステックスやマンハッタンズのようなノーザン系のグループが好きだったので、その後にコーラス・グループをやりたくなってシルキー藤野とヒューマン・ソウル始めたんです。8人編成のバンドプラス二人だけのコーラスグループを10年やりました。

Q 日本語でブラック・ミュージックを歌い始めた理由は?
A ヒューマンソウル時代は、英語でオリジナルの曲を作ったり、ソウルのカヴァーをやってたわけですけど、日本人として受け入れられるソウル・ミュージックのアプローチってなんやろ?って。

言葉を越えて感動できる部分もあるけど、言葉を伝えないと意味がない。日本語は一音一句だけど英語は違う。
それを崩すことから初めて、英語のイントネーションで日本語をリズムに乗せる方法を自分なりに探った。最近やっとわかってきました。あとはリズムの突き詰めですね。

Q ゴスペルはいつ頃から?
A サム・クックがソウル・スターラーズというゴスペル・グループに在籍していたというのを読んで、そうかいっぺんこれ聴いてみたらわかるんちゃうかなと思って、レコード買うたんですよ。で聴いたら、もうこれがめちゃくちゃショック。人生最大の衝撃を経験しまして。それ以来朝起きるとゴスペル、トイレ入るときもご飯食べるときもお風呂入るときも全部ゴスペル。

R&B聴き始めたのは14歳で本格的に歌い始めたのが17歳、サム・クックにめぐり合ったのが19歳。25歳のときにプロのシンガー集めて17、18名のクワイア作ったんです。ゴスペルの解釈がないもんやから方向も定まらない。結局1年半でやめちゃった。次やるときは自分がコントロールできるようにしなきゃと思いました。

Q それで現在のジェイズ・マス・クワイアに結びついていくのですか?
A いやいや29歳の時衝撃的な出来事があって、5、6年ゴスペルが歌えなくなったんですよ。俺がニューヨーク行ってた時ヴォイス・トレーナーの先生に教えてもらったブルックリンのキリスト教会へ日曜礼拝に行ったんです。すごく大きな教会ですごい盛り上がってて、おぉレコードで聴いた雰囲気そのものって興奮して舞い上がってたら 牧師さんに前へ呼ばれて、ヘブライ語かなんかわけのわからん言葉で気合い入れられて。

俺がゴスペル用語とかヘタに知ってていろいろ受け答えしてるもんですから、牧師さんが<ジーザス・イズ・ヒア>、いまイエス・キリストが宿っているとかいわはって。いや、ちょっとちゃうねんけど、とか思ってたら、足の悪い人や目の悪い人が寄って来て、俺の服を触るんですよ。

ソウル・スターラーズの歌や聖書にもあるんですけど、ある町で長い間病にかかっててどんな医者でも薬でも治らなかった女の人が、イエス・キリストの衣に触れば治るって聞いて、イエス・キリストがその町を通りかかったときに触れたら本当に治ったということがあって。

<タッチ・ザ・ヘム・オブ・ヒズ・ガーメント>という曲で、俺ににじり寄ってきた人はもちろん知っていて、それを俺に求めたんですよ。ところが俺にそんなことできるわけないから、みんな涙流してるけどただ固まるしかない。<俺は詐欺師や>ってめちゃくちゃ落ち込んで、それからゴスペルが歌えなくなったんです。

Q それでも再び歌い始めるわけですね?
A それまで俺はゴスペルを音楽的な見地からしかとらえてなくて、人の苦しみを癒し たり救ったりする愛情がなければゴスペルを歌えないということがよくわかった。

ところが1995年の阪神大震災で俺の友達もたくさん被災者となった。何とか助けることが出来ないか考えて、そうや俺には歌を歌うことしかないんやから、歌で募金集めて寄付しよう、それならゴスペル歌ってもいいんじゃないかと。
梅田の街角で(キーボ ードのセッシー・トモさんと2人でもやったけど)たった一人でゴスペルを歌ったら30分で予想外のお金が集まって、ボランティア団体を通じて神戸に寄付してたんですよ。(実はそれが今も続いているジェイズ・マス・クワイアの月一のストリートライブのスタートだったのである。)

それでクワイヤ作るならいましかないって大阪でヴォーカル・スクールを立ち上げた。その頃はヒューマン・ソウルやってて知名度があったんで30名くらい集まって。よしきた!と、みんなにヴォイス・トレーニングしながら <なぁ、ゴスペルて知ってる?クワイヤて知ってる?おもしろいからやってみ>ってレッスンをだんだんクワイヤの曲へ移行しながら<どう?おもろいやろ>って訊いたら <おもろいです>ってなって。

Q どんなメンバーで構成されているのですか?
A クワイアのメンバーはいま全員で40人くらい。
医者、教師、看護婦、講師、サラリーマン、プログラマーなどさまざま。プロのシンガー目指しているのも数人います。
クワイヤの中で上下の関係を作りたくないんですよ。俺はみんなといっしょ、もしくは一番下って思ってます。

Q 本来ゴスペルとは神の言葉を教会の場で表現していくことだと思うんですけど、日本ではそうじゃないですね?
A 日本は世界の中でもびっくりするくらい宗教観が変わってる。だから、教会の中であっても、なくても、ライヴハウスでも、ストリートでも、神に感謝したり祈ったり、仲間同志でお互いに励ましあって幸せになれるような喜びの歌を歌おうと思ってます。 世の中にいろんなエネルギーを出していくにはそこからしか出来ませんから。

いま毎月第四金曜に梅田阪急かJRあたりの街角に全員集まって歌ってます。俺が最初にやり始めた時と同じように毎回募金箱を設置して。最近でしたら伊豆諸島災害基金、この次やろうとしてるのは鳥取西部大地震の募金で、毎回日本キリスト教団を通じて被災地に送ってます。

Q そのストリート・ライブって梅田のスゴイ名物になっているらしいですね?
A 毎回400人ぐらいが観に来てくれます。ストリートって道行く人が何気なしに通っている場所じゃないですか。そこで足を止めた人が聞こうとしてくれて、手拍子してくれて、顔見たらにっこり笑ってる状態に持ってくのは本当にたいへんだと思うんですよ。最初から聞きに来てくれる人はいないですから。

でも偶然そこを通りかかった人と同じ時間を共有できるような瞬間が毎回ありますし、人間同志、他人でも分かり合える部分あるんやなって感じます。

Q 今後メジャー・レーベルからジェイズ・マス・クワイアの世界を展開していくわけですが、どんなことをリスナーに伝えたいですか?
A 自分の中ではすごくはっきりしてます。独特の宗教観でずっと生活してきた日本人に、いま何が一番必要なのか。やっぱり喜びと感謝そして人のために祈れることでしょう。最近日本で悲惨な事件が多くて、これはちょっとおかしいぞとみんな思ってる。

だからこそ喜びや感謝のような人間本来の姿に帰る気持をお互い持ちましょう、というところから始めないと、何が神様の福音や!何がゴスペルや!そんなものいうとるだけやないかい!って、俺も思うし聞いている人も思いますよ、絶対。

Q それがジョイスペルというスタイルですね?
A メンバー同志が助け合ったり喜び合えたりする環境を作って、人間は本来これなんですよって示したい。人間のベーシックなところに帰って、その喜びの言葉を歌う。それがいま自分の目指しているゴスペルであり、喜びのジョイとゴスペルを合わせた <ジョイスペル>って言葉の意味なんです。

このジョイスペルを世間に訴えたいです。 自分にとってゴスペルは生活の一部でありライフワークです。自分自身のために人と 人との垣根を取っていくんやって思ってます。理解できない人を放っておくんじゃなくて理解してもらえるように接していきたい生活の中のひとつというか。。。ゴスペルはライフワークですから。

Q 現在の主な活動は?
A 実は俺たちがいま一番一生懸命やってるのはボランティアです。先日も精神障害の方の施設の記念事業で歌わせていただき、すごく喜んでもらいました。そこは歌手や芸人の方がなかなか行かないらしくて、数ヶ月前初めて行ったとき最初は雰囲気的に厳しいかな?って思ったんですけど、最後はみんな手拍子して涙流してアンコールしてくれ状態。<あぁ、この人たちピュアなんや。本当に音楽聴いてくれてるんや>っ て思いました。

それからいろいろ噂が噂を呼んで、老人ホームや身体障害者の施設から話がたくさん来てます。俺がその施設で歌った時に<みんなのために曲を作るから、一緒に歌おうよ>っていうたら、大阪でリアルブラッドとライブをやったとき、その施設の障害を持った方が詩を書いて会場に持ってきてくれたんです。俺を待っててくれたんですよ。俺それ見たとき、涙出て止まらんかったんです、<ありがとう、俺は曲作るよ>って。

そういう方々とどんどん垣根をとっていって、いっしょにコーラス 隊を作ろう、仲間同士で歌い合ういわゆるフェローシップ・クワイヤを作ろうと堅く心に誓いました。なにわゴスペル・フェスティバルという手作りのコンサートを毎年やってますが、その方たちといっしょにやる計画を練ってます。来年2月頃メジャー・デビュー記念ライブをやる予定ですが、そこでもいっしょに交流できればと思っています。

自分はミュージシャンなので自分の世界も大事にしていきたいけど、音楽は極力シンプルにいきたいと思ってます。いままでの話はメジャー向きじゃないかも知れません。(笑)でも、自分たちだけでなくいろんな人たちに聴いてもらわないと意味がない曲を作ってますし、詩も書いてますから。そのためにもメジャー・レーベルの力は必要だし、メジャーの中でも心を持って動いてくれる人、気持でお付き合いできる人たちとやっていきたい。今回のスタッフたちにめぐり合ったことは喜ばしいことで す。
TEXT BY MUSIC CAMP, inc.
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